
リストラ、終身雇用制の崩壊、成果主義の導入など、職場の不安、緊張感も高まり、至る所で働き過ぎの悲鳴が上がっています。
日本経済が復活し、その果実を満喫し、元気にならなければおかしい労働者が過労から倒れるケースが後を絶たないという事態は尋常なこととは言えないと思います。
働き過ぎという悪い生活習慣を解消し、健康的な働き方ができる会社・社員なって貰うためには、どうしたらよいのでしょうか?
■増える過労死
下記グラフは、全国の「脳・心臓疾患、精神障害に係る労災請求状況」を示したものです。

脳・心臓疾患にかかる労災については、請求件数・認定件数ともに、平成14年以降高い水準にあることが分かります。また、うつ病などの精神障害等に係る労災は、請求件数・認定件数ともに、近年右肩上がりに増加傾向にあります。
業種別にみると過労死と認定を受けた件数が、製造業・建設業・運輸業に多く、職種別にみるとストレスの多い管理職、不規則で業務が長時間になりがちな専門技術職 自動車運転手に多い傾向があります。圧倒的に男性に多く、30代から50代の働き盛りに多く、20代の社員も少なくないという特徴あります。また女子の労災認定はほとんど精神疾患であり、女性の多い職場の過重労働対策はメンタルヘルスを向上させるということが重要です。
■増える自殺者
人口に占める自殺率では日本は先進国G7諸国中で1位となっています。2003年の年間自殺者数は3万4千人に達し、統計のある1978年以降最大となりました。日本では1990年代後半から中高年の自殺が増えてきています。 自殺者の2/3は男性であり、急増したのも男性の自殺です。サラリーマンの自殺者数も高い水準で推移しており、平成16年では8,547人となっています。G8ではアル中の多いロシアに次いで2位であった。戦後最悪といわれる失業率と倒産件数を背景に自殺者が激増したと考えられます

■過労死とはなにか?
過労死とは、過重な労働負荷が、原因になり、高血圧や、もともとあった。基礎疾患を悪化させて、脳卒中、心臓病を発症させ、永久的労働不能や死に至らせた状態と、定義されています。
つまり、過労死というは特定の病気や症状があるわけではなく、基礎疾患を持った。労働者が、過重な労働によって症状を急激に悪化させて死に至るケースを過労死といい、自殺の場合を過労自殺と呼んでいます。
■働き過ぎとはなにか?
長時間労働・短時間の過重業務・異常な出来事・交代制勤務・深夜業務・不規則な勤務・出張の多い業務、著しい低温・高温下の作業・騒音・時差(パイロット)危険業務・重大な責任のある業務・過大なノルマのある業務・大きなトラブルを抱えた業務・複雑困難な業務などが過重労働・労災の原因と考えられます。しかしこれらの要因がどの程度、脳・心臓・メンタルヘルスに悪影響を与えるのかは、医学的に明らかになっていないのが現状であり、なにを働きすぎの尺度とするのかは、大変難しいことです。ある人には、複雑かつ重大であっても、他の人には単純、簡単な仕事になることはよくあることです。複雑・不規則・重大・過大・大きなというような言葉を使って基準を作ることは難しいことです。矛盾があるにせよ総労働時間が一番適切な基準と考えられます。
■世界の現状
・働き過ぎの原因
働き過ぎが問題になっているのは日本だけではありません。
グローバリゼーションが進むなか、世界的に途上国を巻き込んでの競争が激しくなり、先進国ではかつてないリストラと産業再編の大波が起きています。人件費の安く、就業時間の長い中国や、韓国の労働者と競争させられ、人件費の削減や労働時間の延長を迫られています。アメリカには労働時間を制限する法律がなく、公正労働基準法で、労働時間が週40時間を超えたら1・5倍の割増賃金を払うという条項があるだけです。仕事の後パブでビールをのんびり飲んでいるといった印象のあるイギリスの法定労働時間は週48時間です。英国は大変忙しい国になっています 1ヶ月のバカンスのある時短先進国であるフランスやドイツでも週35時間労働を40時間に戻そうという動きがでてきています。中国では一日12時間働き、休日労働がないとストライキが起きる程勤労意欲の高い国です、韓国は中国程ではありませんが週50時間労働が常識です。アジアの国からみれば、日本人は休み過ぎなのです。世界の労働時間は1980年以降それまでの減少傾向が止まり、再び増大に転じつつあります。時短・ワークシェアリングの時代は終わり、世界的に働き過ぎの時代になったのです。パソコンやインターネットの普及は仕事のスピードを速め仕事量を増やしています。仕事のスピードが2倍になっても、成果主義の会社においては、仕事を2倍にしなくては競争に生き残ることはできません。携帯電話・電子メール・ノートパソコンは仕事とプライベートの境界を曖昧にして 仕事が寝室。風呂場にも追いかけてくる状況を作り出しています。 パートタイム、契約社員、派遣労働者などの「非正社員」が増加し、労働時間が2極分化し、30台の男性を中心正社員の働き過ぎが強まっています。

■労働時間分布の長短二極化
現在の最先端技術の進歩は、日進月歩であり、常に新しい技術に対応していかなければ、この社会の中でも生き残れません。さらにリストラ、成果主義とサラリーマンを取り巻く状況は、厳しい変化のなかにあります。 昭和の時代生き抜いてきた経営者や管理職は、自分はもっと働いたと、徹夜もしたと。土曜日でも半日働いたしかし病気にならなかったというような、考えを持つかもしれません しかし時代は変わったのです。 自分たちの時代と現在を同じように考えて、現役の若手社員たちに同じように働けとは言うことはできないのではないでしょうか?

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